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world premiere

2020年3月28日ー29日
[新型コロナウイルス感染症のため公演中止]
ロームシアター京都
https://rohmtheatrekyoto.jp/event/54320

film screening

2020年10月16日ー18日
ロームシアター京都
https://rohmtheatrekyoto.jp/event/60156/

management by

ダムタイプ
ロームシアター京都

produced by

ロームシアター京都

thanks to

株式会社タケナカ

co-sponsored by

公益財団法人セゾン文化財団

organized by

KYOTO STEAM-世界文化交流祭-実行委員会

production member

池田亮司
大鹿展明
尾﨑聡
白木良
砂山典子
高谷史郎
高谷桜子
田中真由美
泊博雅
濵哲史
原摩利彦
平井優子
藤本隆行
古舘健
薮内美佐子
アオイヤマダ
山中透
吉本有輝子

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パフォーマンス《2020》
《Voyage》以来18年ぶりのダムタイプの新作パフォーマンス《2020》は、2020年3月に「KYOTO STEAM-世界文化交流祭-2020」のプログラムの一環でロームシアター京都で上演予定だったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため公演は中止となり、パフォーマンスは無観客で撮影された。同年10月に、《2020》の記録映像は撮影された場所と同じロームシアター京都のサウスホールで上映された。


Chapter 1
暗闇の中3kwのフレネル(照明機材)が、点灯と同時に振り子のように舞台上に落下する。一人のパフォーマーと舞台中央の四角い穴が浮かび上がる。振り子の照明が揺れながら、質問を投げかける―「What is Geography?」「What is the Earth?」「Where does the Sun set?」・・・(1856年のアメリカの教科書『FIRST LESSONS IN GEOGRAPHY by James Monteith』より抜粋された質問が機械的な音声で読み上げられていく)。やがて、穴の中心に静止した照明は上空へ引き上げられ舞台上に円弧を描き、2万年前に氷床が削り出して作り上げた地形図へと変化する。その中心は暗闇に隠され、パフォーマーはそのエッジの上で運動を始め、やがて自らのフラッシュライトを使った光跡へと変化する。


Chapter 2
5人の黒衣(くろご)と思しき人物たちが現れる。並んで腰掛けたところに、顔を隠すように黒い正方形のスクリーンが降りてくる。権力者たちの会議の様子なのか、足を組み替え、他人を指差し、腕を組む。スクリーンには監視カメラの映像が映し出され、次第にモザイク状になり、そのパターンは、国家という人間が生み出したシステムをコントロールしようと試みる人たちの姿にも見える。


Chapter 3
黒衣の人物たちがスーツを脱ぎ捨てると、軽やかでカラフルな装いへと変貌する。右手からロープに引かれDJブースが現れる。DJは一人の「指揮者」が指示するままにレコードをセットし操作する。『Moon River』、『I Had It Made』…、赤ちゃんの泣き声すら。黒いスーツから解放されたかのようなパフォーマーたちは、喜びに溢れた踊りを繰り広げているが、「指揮者」の号令「STOP!」「CHANGE!」「GO!」の下で、行動は制限されている。「指揮者」が管理するレコードは、盤面がテープでどんどんマスキングされて演奏不能となり、最後にはノイズとなる。


Chapter 4
ノイズの混沌の後、人々は去り、一人残ったパフォーマーは、舞台を大きく駆け回った後、叫ぶ。「私の中に、爆弾があったら、それもう一回食べて、うんこにして便所に流したい!」「私の中に、ウサギがいたら、すぐに差がついて面白くないから、やっぱりちょっと戻って、亀と一緒に走りたい!」


Chapter 5
軽快な前奏の中、2人のパフォーマーが現れ、左右の離れた場所で踊る。背景のスクリーンには2人の影が写り、そこでは2人のシルエットは重なり合い、突き飛ばし、手と手を取りあっている。ナット・キング・コールの『L-O-V-E』が流れるなか踊る2人。背景の3つのスクリーンには「L」「O」「V」「E」それぞれで始まる単語が映し出される。


Chapter 6
水着姿の人物が糸のない糸電話で誰かと話している。話していた相手が舞台中央の穴から上がってくると、並んで天井を向いて体を横たえる。2人の顔が交互にスクリーンに映し出され、瞬きで対話を始める。対話の言葉はスクリーンに投影され、次第に2人が放った言葉の意味の関係性により、新たな別の言葉が次々に誘発され、無数の言葉が空間を埋め尽くす。やがてそれらの言葉は次第にマスキングされ読めなくなっていく。


Chapter 7
サインウェーブやグリッチ、ホワイトノイズで構成された音と同期して、スクリーンには無数の英単語が浮遊し、まるでこの世界に充満する不可視の言語宇宙を仮想させる。スクリーンの下には白いボディタイツを着たパフォーマーが横たわり、光のラインがその身体をスキャンしている。音の高揚と共に、ムーブメントも加速し熱量を帯びる。映像も都市の移動そして海図へと高速で展開する。やがて訪れた静寂の中、冒頭の160年前の質問「太陽はどこに沈むのですか?」に対して、自らが後ろ向きに回転していることを発見した彼女は、自ら穴の中へ後ろ向きに落下する。