土曜講座
土曜講座はブリヂストン美術館の開館以来続いている講演会です。さまざまな分野で活躍する専門家の皆様をお迎えし、トークセッションを行います。
- 会場:アーティゾン美術館 3階 レクチャールーム
- 定員:60人(事前申込制・先着順)*定員に達し次第、受付終了
- 参加費:無料
2023年3月18日|土|
14:00–15:30(13:30開場)
第一回 ダムタイプと来るべき未来の社会
出演者:高谷史郎(アーティスト)、柄谷行人(哲学者)、 近藤康太郎(作家、評論家)
19世紀中頃〜20世紀を通じて、「生産様式」が社会の経済的基礎(下部構造)として政治的・法律的・文化的制度(上部構造)を規定するとした見方が、思想に大きく影響を与えてきました。哲学者である柄谷行人は、「生産様式」に代わって「交換様式」から社会構造・歴史を捉え直そうとします。柄谷によれば、現在主要な金銭による商品交換、国家による支配、共同体による拘束などは「交換様式A〜C」に含まれ、「交換様式D」は来るべき未来の社会をあらわします。ダムタイプに「交換様式D」への志向性を見いだしている柄谷が高谷史郎とともに、未来社会を先取りした生活を営む朝日新聞記者にして猟師・農民でもある近藤康太郎を交えて、希望を語ります。
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高谷史郎アーティスト。1963年生まれ。京都市立芸術大学 環境デザイン専攻卒業。1984年からアーティストグループ「ダムタイプ」の活動に参加。世界各地の劇場や美術館、アートセンターでパフォーマンス公演やインスタレーション展示を行う。1998年からダムタイプの活動と並行して個人の制作活動を開始。マルセイユ・フェスティバル、東京・新国立劇場、シンガポール国際芸術祭での公演や、東京都写真美術館での個展等。2021年、坂本龍一+高谷史郎「TIME」をオランダ・フェスティバルで世界初演。
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柄谷行人哲学者。1941年生まれ。東京大学経済学部卒。夏目漱石論でデビューし、文芸批評の世界を一新した。二〇世紀の末に提起した「交換様式」にもとづく『資本論』の斬新な解釈は、世界でも注目を浴びてきた。2022年バーグルエン哲学・文化賞を受賞。法政大学教授、イェール大学教授、コロンビア大学教授他を歴任。主著に、『世界史の構造』『哲学の起源』 『力と交換様式』他がある。
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近藤康太郎作家、評論家。1963年、東京・渋谷生まれ。作家、評論家、百姓、猟師。著書に『百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術』『三行で撃つ〈善く、生きる〉ための文章塾』『アロハで猟師、はじめました』『アロハで田植え、はじめました』『リアルロック』など。朝日新聞天草支局長兼編集委員。
2023年3月25日|土|
14:00–15:30(13:30開場)
第二回 古舘健の創造性
出演者:古舘健(アーティスト/エンジニア/ミュージシャン)、城一裕(アーティスト/研究者)
2014年の東京都現代美術館で開催された「新たな系譜学を求めて-跳躍/痕跡/身体」でコミッションワークとして制作されたダムタイプ《MEMORANDUM OR VOYAGE》。古舘健は、この作品の制作からダムタイプメンバーとなり、彼の参加はその後のダムタイプの作品に大きな影響を与えています。それまで、機械を制御するためのコンピューターであったものが、古舘のプログラミングによって、ダムタイプの新たな表現を生み出す媒体として生まれ変わりました。彼の活動を古くから知り、協働者でもある城一裕氏をお迎えして、古舘の活動を紹介するとともに、ダムタイプとはどのような試みが可能なプラットフォームなのか、を探ります。
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撮影:桜木美幸 古舘健1981年生まれ。京都在住。アーティスト/エンジニア/ミュージシャン。サインウェーブ、パルス、ドット、直線などプリミティブな素材の持つ特性を重ね合わせることで、複雑な現象を導き出すようなAVパフォーマンス、インスタレーションなどを制作。2002年より観客参加型のサウンド・アート・プロジェクト「The SINE WAVE ORCHESTRA」を他3人のメンバーとともに主催。2014年よりアーティストコレクティブ「Dumb Type」に参加。2015年より西陣織の織元である細尾とコラボレーションを開始、2019年にプロジェクト「Quasicrystal」を立ち上げ、ジェネラティブアートの手法を用いた新しい西陣織を作り上げた。他、エンジニアとして様々な作家の制作に参加している。2021年よりDJとしても活動。
http://ekran.jp/kf -
城一裕1977年生まれ。九州大学芸術工学研究院准教授。山口情報芸術センター[YCAM]専門委員(非常勤)。博士(芸術工学)。専門はメディア・アート。現在の主なプロジェクトは,音の再生の物質的・歴史的な基盤を実践を通じて再考する「Life in the Groove」,参加型の音楽の実践である「The SINE WAVE ORCHESTRA」,音・文字・グラフィックの関係性を考える「phono/graph」などで、音響学とインタラクション・デザインを背景とする。
関連イベント
Photo: Kazuo Fukunaga
ダムタイプ「2020」特別上映会
*会場は、109シネマズプレミアム新宿です。
18年ぶりのダムタイプの新作として、国内外から高い関心と注目を集めたパフォーマンス作品「2020」。本作はKYOTO STEAM―世界文化交流祭―2020のプログラムのひとつとして、2020年3月に上演予定でしたが、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため無観客で収録、編集した映像で公表されています。ヴェネチアで発表したインスタレーション作品《2022》との関連が深い本作を、メンバーとして迎え入れられた坂本龍一が監修した音響システム「SAION -SR EDITION-」で特別上映いたします。
ダムタイプ
池田亮司・大鹿展明・尾﨑聡・白木良・砂山典子・高谷史郎・高谷桜子・田中真由美・泊博雅・濱哲史・原摩利彦・平井優子・藤本隆行・古舘健・薮内美佐子・アオイヤマダ・山中透・吉本有輝子
宣伝美術:南琢也
上映終了後、ダムタイプメンバーによるアフタートークを行います
砂山典子(ダンサー)×濱哲史(アーティスト)
司会:内海潤也(石橋財団アーティゾン美術館学芸員)
(東京都新宿区歌舞伎町一丁目29番1号 東急歌舞伎町タワー9F)
NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]
開館25周年記念イヴェント
DUMB TYPE─
AUDIO VISUAL LIVE 2022: remix
*場所は、NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]で行われます。
詳細は公式サイトにてご確認いただけます。
「DUMB TYPE | AUDIO VISUAL LIVE 2022: remix」は、第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示(2022年)に出品された新作インスタレーション《2022》をベースにした、ライヴ・リミックス版によるコンサートです。2022年11月に、ゴルドーニ劇場(イタリア・ヴェネチア)で上演された(初演・主催:国際交流基金)作品を、ICCの開館25周年記念イヴェントとして、また、当館にて開催される「ダムタイプ|2022: remap」展の開催に関連して、ICCヴァージョンとして上演するものです。
2023年3月12日[日]15:00(14:30開場)
*12日は終演後にアフタートークを開催します。
ギャラリーA
(東京都新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティタワー4階)
(東日本電信電話株式会社)
公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館
当日券は、3月11日[土]、12日[日]各日とも午前11時より、ICC エントランス・ロビーにて若干数販売します。